楽器の鳴らし方に学ぶこと

エンジニアさんは万能では無い。
BUNでございます。

ずっとライブをやって来た人生でした。
ブースの中で音楽を作る仕事をしながらも
人の前で演奏をして来た人生でした。
まだやります、終わりはありません。
曲は泉のように湧いてます。

ここのところスパニッシュギターばかり
弾いていると書いて来ました。
ナイロンの弦は太く柔らかくて、
握力の無いあたしでも何とか楽しく弾けます。
一番気に入ってるのはアンプに繋げる事の出来ない
完全な本当の生のギターです。

高校2年でバイトして初めて買ったギターも
エレアコでして、父親のステレオに繋げて弾いて
スピーカーを壊して怒られました。

エレキギターもそのあとすぐに買って
それからずーっと、シールドケーブルで
アンプに繋いで弾くという事を続けて来ました。

最近でもリハでスタジオに入ると
お隣の部屋からは爆音でヴォーカルが全く聞こえず
何を歌ってるのかさっぱりわからない皆さんが
居るのはあたしが始めたての頃と変わってません(笑)

歌モノは歌が聞こえないとだめです。
当たり前ですが。

なので、PinkSardineでも例えば爪痕とか
イントロはもう爆音で弾きます(笑)
でも歌が入ったらギター側のボリュームを下げてます。
歪みは多少マイルドになって音色が変わります。

これがライブです。

レコーディングでは最後まで同じボリュームで弾いて
ミックスの時に歌inからギターをフェーダーで下げてます。

ライブではあたしの出番のギターソロになったら
また手元のボリュームをMAXにして弾きます。
で、歌が戻って来たらボリュームダウン。

ライブでずーっとバカでかく弾いてはいけません。
専属のエンジニアが居ないバンド、ライブハウスで
まさか当日出演する全バンドの全曲の構成など
エンジニアさんが覚えられるワケありません。

なのでそういう細かいところは
自分たちでやってお客様にちゃんと聴いて頂く
細やかな配慮が必要です。

対バンさんとかでこれやってる方々は
みんなメジャーに行きましたねぇ。
ラ○クとかライブの構成が上手かった。

またそれはマクロな話。
で今日のミクロな話は、歳とっても
気付く事はあるんだねぇ、という話。

この病気になって全身の筋肉、腱が激痛なので
絶対的な筋力が無くなってしまいました。
何度か書きましたが、あたしはペットボトルの
フタが開けら無いほど握力が消えました。

なのでアコースティックギターは
最も柔らかいエクストラライトの010弦です。
ギターも弦高を限界まで下げて弾いてます。

当然、弦を弾く右手の握力もありませんから
音が小さくなります。
それはギターに取り付けたピックアップで電気信号に変え
エレキと同じようにミキサーに送ってPAスピーカーから出してます。

なので実際に弾いてるギター自体の音量が低くても
信号を電気的に増幅する事でライブに耐える音量を得ています。
もちろん歌モノの時はお客様に見えない手元の
サウンドホール内に設置したボリュームで
音量を調節しているのはエレキと同じ。

これで忘れかけていた事があまりに多かった。

今、完全に生のギターを弾いていて
弾く指の力とか、弾き方で音量や音質を変えたり
コードで複数の弦を弾く時と単音のソロを弾く時の音量差も
ギターの鳴らし方でコントロールするという事。

これ、およそアコースティックな楽器では
生ギターでもエレアコでも物凄く大切な事です。

時間ある方はこの動画を観てみて下さい↓
Vicente Amigoのライブ動画です。

最初はパラパラアドリブでやってますが
0:28〜くらいから曲になります。
このギターはエレアコではなく完全生のギターで、手元に設置した外部マイクで
サウンドホールからの生音を拾っています。

なのに、単音の音量、複数の弦を鳴らす音量を
弾き方で完璧にコントロールしています。
特にコードでチャ!と弾く時は物凄く軽く弾いてるのがわかります。
どんどん変わる哀愁な音質も爪や指腹を使って
音楽として鳴らしています。

簡単そうですが、物凄い事です。
超絶なテクニックに目が行きますが、
アンサンブルはギター単体でも必要です。
演奏者はギターではなくても
こういうお客様目線で観て盗むものは
全て盗み取りたいものですし
派手なテクニックよりも、こういう
基本的な「鳴らし方」に気付くべきだと
あたしは思うのです。

ただ、これは筋力が必要です。
なのでこの練習をする事であたしも
頑張って生のギターをちゃんと
コントロールして弾けるように
なりたいなぁ、と思ってます。

後この動画では右手を絶対サウンドホール前に
出してません。マイクで音を拾ってるので
その出口のサウンドホールを塞ぐような事はしてません。
エレアコ弾いてるとたまにやっちゃうのよね。
柔らかい音色を出したい時はサウンドホール付近で
弦を弾くと左手で抑えてる場所との中間になるので
割と簡単に倍音を多く含んだ丸い音になるから。
それも弾き方で変えていかないと。

しかしこの人ネック全然みてない^^;
見たところでスパニッシュギターは
ポジションマーク無いから、もう体の一部
なのでしょうね。凄すぎてもう。

閑話休題、本文に関係無いんだけど、この動画!
エレキギターでもう凄すぎてお父さん泣けて来るよ。
ベートーヴェンの「月光」なんですけどね
観た時にさすがに衝撃が走りました。
あたしクラシック出身なので、イングヴェイを
初めて知った時も衝撃でしたが、この女性ギタリスト
凄すぎて涙出ますわ。

話を戻して、、、
スチール弦のアコースティックギターは
ピックでコードを弾くと、ドカーンと鳴ります。
その後でピックでソロを弾いても埋もれちゃいます。
だからライブでのバッキングは
見た目思い切り弾いてそうで弾いてません(笑)

あたしのアコースティックのソロは思い切りフルパワーで
バチン!ってアタックを出して、アクセントを抜けさせてます。

それくらいはやってましたが、
上の動画のようにピックを使わずに
全てを指で弾く場合には、ダラダラとした演奏に
ならぬように、アクセントやアーティキュレーション、
つまり、切るところは思い切り短く切る、
伸ばす音はちゃんと最後まで伸ばす、事が
とても重要になってきます。

音を切る、伸ばす、柔らかく弾く、強く弾く
これはPCで作成する打ち込みの音楽でも
絶対に必要な知識でありテクニックです。

名言を出します(笑)

音楽は音が鳴って無いところが
一番音楽的なのです。

あたしがタムに入れたのは、あたしが出した
全て手で弾いてる(笑)曲で、ギターだけではなく
様々な楽器を弾けたからだ、と
その後そこから引き抜いたイーゲームの社長が言ってくれてました。
まぁ、PCも触った事無い、ゲームもしない(笑)あたしの
唯一のプロフィールだったのかもね。

楽器の弾き方は動画や教本でわかるかもしれませんが、
楽器の鳴らし方は誰も教えてくれません。
気付くしかありません。

何にしても気付くのって
物凄く大切です。

ライブでお客様にどう楽しんで頂くか
ステージからファンの方々の表情に気付けるか。

床に落ちてる小さなゴミに気付くか。
エクセルに並んだ大量の数字の中の間違いに
気づけるか、とか。
相手の気持ちを思いやれるか、とか。
これを言ったら相手はどう思うか、とか。

笑い事では無いのです。
気付く為の気持ちはおそらく普段からも
そんな心がけが必要だとあたしは思うのです。

なんつって。

★追加のぜんぜん要らない豆知識!

これ教本とか動画とか誰もほとんど教えてくれませんが、
スパニッシュギターの弦交換では、ブリッジ後ろ側に
何でも良いので厚紙とかプラ板を貼っておきます。
B01E8E89-60B3-4363-B519-934533382E2B.jpeg
こんな風にね。
セロテープは何度か指に付けて粘着を弱めておきます。
剥がす時にギターの塗装まで剥がれたら痛過ぎるから。

なぜこんな事するか、というと
ナイロン弦はエレキギターやスチール弦の
アコースティックギターのように
弦を止めるボールエンドがありません。
ただのヒモです。

それをブリッジに結び付けてから張っていくのですが
チューニングしてる時に稀にヌルっと抜ける事があります。
その抜ける時に暴れてバチコン!!!と
表面板に傷を付ける事があるので、それを保護する為に
このような板をある程度チューニングが落ち着くまで付けときます。

あたしのブリッジへの結び付け方は
次の弦の締まる力でも抜けないようにしてます。

1426E840-C628-4724-B430-4DB5D6EF19CC.jpeg
6弦の端は5弦の結び目に入れて〜の順番で
最後の1弦は結び目か、ライターて炙って
太くなるような突起を作っておいて
抜けないようにします。

これやってる人見た事無いんだけど
あたしが発明した事でよろしいかな?!

ナイロン弦はどんどん伸びます。
3〜4日は伸び続けますから、ライブで使うには
1週間前には新しい弦に交換しておかないとだめ。

また、あってはならぬ事ですが、
万が一ライブの日のリハ中に切れたりしたら
新しい弦を張っても間に合いませんから
必ず1セットは弦交換した時に「外した弦」を
持っている必要があります。
もう伸びきってますからね、そのまま張っても
チューニングは大丈夫ですから。

たぶんギターの中でも一番めんどくさくて
一番難しくて、一番楽しくて、
一番気持ちを伝えられる表現力があるのが
スパニッシュギターかもしれません。
弾いてるのが楽しいです。

シンプルでネック調整のトラスロッドも無く
カマボコみたいにぶっといネックで意外と丈夫。
50年とか弦張りっぱなしの人もいるくらい。
ピックアップとかエフェクトとかぜんぜん関係なく
電気的なものが一切無くて、本当に自分が弾いているマニュアル感(笑)
小さな部屋ならこれ1本だけで音楽を演奏出来る。
ほんとマニュアル感覚。

エレキギターも大好きですから
もちろん弾き続けるでしょう。
だけど今、スパニッシュギターから得られるものは
エレキにもそしてライブスタイルにも
これからの曲作りにも役に立つ事ばかりです。

フライングVもカッコ良いですが、
ゴルペ板が付いたフラメンコ用のスパニッシュギターの
カッコ良さがジワジワ来てます。

超デジタルなゲーム音楽作家だったあたしが
言うのもアレだけどアナログ最高(笑)
電気は音楽制作、演奏の為の道具のひとつ。
ちゃんと楽器を弾けて鳴らせてから初めて
エフェクターとか云々。

このギターもちろん新しいアルバムに使います(^^)
2nd分身発表からまた得たものや発想や
アイデアとかたくさんあって、
新しいアルバムにはそれをふんだんに入れたいと
いろっんな曲でいろっんなアプローチをします。
でもあたしの作風は変わりません、変われません(笑)

ライブでは会場によってはエレアコ使うけど
小さな箱ではぜひ、完全生ギターをマイクで拾っての演奏もしてみたい。

ぜひお楽しみに(^^)